不倫・不貞行為について相談する弁護士の選び方
不倫関係がバレてしまい、慰謝料請求の書面などを受け取ると、通常はどう対応して良いか分からず慌ててしまうでしょう。
「自分で対応しようとしたけれどうまく交渉できない」「話が進まない」「過大な慰謝料を請求されている」などのお悩みをお持ちの場合は、専門家である弁護士に今すぐ相談してください。
また、配偶者の不倫が発覚し、配偶者や不倫相手に慰謝料請求をしたいと考えている場合も弁護士に相談するべきです。
適切な額の慰謝料を確実に支払ってもらうには、弁護士の助力が重要です。
今回は、不貞行為・不倫慰謝料について相談する弁護士の選び方をご説明します。
1 不倫慰謝料請求について弁護士ができること
不倫慰謝料については、「請求を受けたものの、金額も大きいしそもそも支払うべきなのかどうかも分からない」「請求したいが、どのように始めたら良いかわからない」という人がほとんどです。
この場合は、「弁護士に相談して妥当な金額なのか・支払うべきなのか」「本当に慰謝料請求できるのか・どのように手続きをするのか」を確認すべきです。
不倫慰謝料請求に関して弁護士ができることは、基本的に次の3つになります。
⑴ 相手方、相手方の代理人との交渉
まず、相手方あるいはその代理人との交渉を弁護士が引き受けることができます。
具体的には、請求された側の場合、相手が要求する金額に対し支払うべきかどうかも含め金額の妥当性を判断し、こちらの希望を汲んだ上で交渉を進めていくことになります。
請求された側の場合、ご自身ではどうしても不倫の責任があることから、「要求されたら支払わなければいけない」と考え、金額の交渉に弱気になってしまいます。
しかし、納得できない・支払うことができない金額で合意する必要はありませんので、弁護士がこれまでの経験を持って適切な金額や条件での合意に至るよう交渉に努めます。
また、請求する側の場合「そもそも不倫はしていない」「金額が高すぎる」などの反論に対して、証拠や慰謝料金額の計算要素を元に適切に反論することができます。
弁護士を交えて話合うほうが、当事者同士で話合う場合と比べて冷静に話合いを進められるケースも多いため、不倫慰謝料の交渉は弁護士に依頼するとスムーズでしょう。
⑵ 調停や裁判になった場合のサポート
仮に交渉で合意に至らなかった場合は、調停での手続きが申立てられることがあります。
この時も、弁護士は依頼者が有利になるように調停に同席し、話の内容などをサポートすることができます。
自分1人で臨むよりも精神的に安心できるはずです。
訴訟に発展した場合でも、弁護士がいれば裁判での手続きを任せられます。
反論の準備からどのように法廷で進めていくべきかの方針などもきちんとお話ししますので、安心いただけるはずです。
裁判所への出頭も弁護士が代行できます。
⑶ 証拠収集に対する的確なアドバイス
不倫慰謝料請求では「不貞行為」に関する証拠が重要です。
仮に慰謝料請求を受けた場合でも、相手が何の客観的証拠も持っていなければ、請求された側は支払わなくても良い可能性があります。
不倫慰謝料に強い弁護士や法律事務所では、どのような証拠が有効かを熟知しており、請求側の証拠が開示された場合にはその有効性を吟味した上で、交渉で解決すべきか、訴訟になった場合の見通しはどうか等についてアドバイスができます。
また、慰謝料請求側としても「どのような証拠が必要か」について、弁護士からアドバイスを受けられるでしょう。
2 不貞行為について相談する弁護士の見極め方
不倫慰謝料請求の交渉を弁護士に依頼するにしても、どの弁護士を選べばいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、不倫慰謝料について相談できる弁護士の特徴、ホームページや実際の相談で何を見るべきかについてご説明いたします。
⑴ 信頼できる弁護士の特徴
不倫慰謝料請求では、普段から不倫慰謝料の案件を取扱っているかどうか、そして弁護士の人柄としても信頼して任せられる人を選ばなければいけません。
そこで、弁護士を選ぶ場合は、初回相談などを利用し以下に注目して話を聞いてみてください。
- 相談者の話を親身になって聞いてくれるか
- きちんと解決の指針を提示してくれるか
- これまで不倫慰謝料の案件を、どれくらい取扱ったことがあるか
- プライバシーに配慮してくれるか
相談者の話をしっかり聞かないと、適切な弁護活動はできません。
多くの相談者は何から話せば良いのか分からないものですが、その不安も解消しつつ親身に話を聞いてくれる弁護士が良いでしょう。
法律の話だけではなく、依頼者の気持ちに沿って、適切なコミュニケーションを図れる人なのかをチェックしてください。
また、弁護士は依頼者の話に対し、一定の解決の方向性を示す必要があります。
自分の悩みに対し、専門家の立場からどのような解決方法が適切か、道筋を示してくれるかどうかも重要なポイントです。
プライバシーへの配慮も重要です。
弁護士には守秘義務があるため、周囲に漏らすようなことはあり得ませんが、依頼者が特別に配慮してほしいケースなどもあるでしょう。
例えば、家族に内緒で不倫相手と交渉しているので、「家に連絡しないでほしい」などです。
職場にもバレないように、などプライバシーへの配慮ができる点も重要です。
初回の相談の際には上記のポイントをぜひ参考にしてみてください。
⑵ ホームページ等で弁護士を探す場合のポイント
相談に行く前に、インターネット検索やホームページを閲覧し法律事務所を選ぶ方も多いでしょう。
法律事務所のホームページでは、以下の点に注目しましょう。
- ホームページで不貞行為の慰謝料請求事例が紹介されているか
- 弁護士費用が明確か
依頼する法律事務所や弁護士は、不倫慰謝料請求の経験が豊富なところを選ばなければいけません。
このとき、ホームページでチェックしたいのは不貞行為の慰謝料請求事例が紹介されているかどうかです。
実際にこれまで依頼を受けた事例が紹介されていれば、不倫慰謝料請求の経験を確認できますので安心です。
解決事例が豊富にあり、どのように解決したのかという点も見ておくと良いでしょう。
また、不倫の弁護士費用には「相談料」「着手金」「報酬金」など様々な項目があります。
何にいくらかかるのかを知っておくこと、全体でいくらかかるのかを把握することが大切です。
ホームページで弁護士費用を明確に記載している弁護士事務所が安心でしょう。
3 弁護士との相談で注意すべきポイント
最後に、弁護士に相談する際に注意すべきポイントについてお伝えします。
⑴ 初回相談前に準備すべきこと
弁護士に相談する時は、自分の聞きたいことをきちんと伝えられるようにするために、メモに以下のことを書いて準備していくことをおすすめします。
- 不倫の証拠があるのか
- 不倫の回数、期間
- 不利・有利だと思う事情
- 請求の事情(書面か口頭か、内容証明郵便が届いた、など)
- この他、気になることや質問
これらの事実をメモ(スマホのメモ帳も可)に書いた上で、できるだけ現在の状況を具体的に弁護士に伝えるようにしてください。
届いた書面などがある場合や、証拠などがある場合はそれも持参しましょう。
⑵ 嘘をつかないこと
不倫に関する事情は、できれば他人には話したくない事実だと思います。
初対面で自分のプライバシーをさらけ出さなければいけないことに苦痛を感じるのは、無理もありません。
しかし、弁護士の前では嘘をつかないようにしてください。
例えば、不利な事情があるのにそれを話さない、自分のことではなく「相手が悪い」という事情ばかり話すなどです。
隠したい気持ちはわかりますが、これでは適切な助言ができないことがあります。
正直に話していただくことで、弁護士は最大限の実力を発揮できるのです。
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